養育費・婚姻費用のポイントの解説
最終更新:2023年6月7日
はじめに
未成年の子のある夫婦が離婚する場合、基本的には父母のどちらか一方が子を引き取り育てることになります。 そこで、子を引き取った親は、他方に対し、養育費を請求することができます。
また、離婚前の夫婦の一方は、他方に対し、婚姻費用を請求することができます。
婚姻費用は、子がなくても請求できます。
養育費・婚姻費用の請求方法
(元)夫婦の協議が成立すれば、その協議で決めた金額の養育費又は婚姻費用の支払いを受けることになりますが、 協議が成立しない場合は、家庭裁判所に養育費請求や婚姻費用請求の調停又は審判を申し立てることになります。
養育費・婚姻費用の額
養育費・婚姻費用の額は、(元)夫婦の協議が成立すれば協議で決めた金額になりますが、
協議が成立せず、家庭裁判所に養育費請求や婚姻費用請求の調停又は審判を申し立てた場合、
家庭裁判所は、基本的には、
養育費・婚姻費用算定表を用いて養育費・婚姻費用の額を算定します。
養育費・婚姻費用算定表に当てはまらない事案の場合は、養育費については、
①権利者(子を育てており養育費の支払いを受ける側)と義務者(子を育てておらず養育費を支払う側)の基礎収入を認定し、
②その基礎収入を前提に義務者が子を育てる場合の子の生活費を算出し、
③その生活費を権利者と義務者の基礎収入の割合で分けたときの義務者の負担額を養育費の額とします。
婚姻費用については、①権利者(婚姻費用の支払いを受ける側)と義務者(婚姻費用を支払う側)の基礎収入を認定し、
②権利者と義務者の基礎収入の合計額から権利者側(子と同居していれば子の分を含む)に割り振られる額を算出し、
③その割り振られる額と実際の権利者の基礎収入との差額を婚姻費用の額とします。
養育費・婚姻費用支払義務の始期
実務的には、養育費請求又は婚姻費用請求の調停又は審判を申し立てた時点から、
義務者に養育費又は婚姻費用の支払義務があるとすることが多いです。
したがって、養育費又は婚姻費用の請求をするのであれば、早めに家庭裁判所に申し立てをすべきと考えます。